月色の赤














赤が乱れる

視界が全て紅に染まる



兄弟は二人―

しかし負けるつもりはなかった





「はぁあぁぁぁぁっ!」



「「あぁあああああぁぁ!」」





兄弟でなれあい共に戦う相手が酷く気持ち悪かった



互いを信じ

叫びもそろったそのすべてが

とても嫌な感じがした



なぜそこまで相手を信じられる?

なぜ?

いずれ殺しあう事になるというのに!!



「あああああぁぁぁぁぁぁっ!!」



どうしてそこまで俺は心高ぶっていたのだろう

大技を出す瞬間

生じた隙を相手は見逃さなかった。





「そこだぁぁあぁぁぁ!!」

「うわあぁぁぁぁぁぁ!!」





左右から同時に繰り出される鎌







避けられないっ・・・!





ザン!!





「・・・・・・・あ」





深紅に染まって倒れていたのは







俺のマスターだった







この体に食い込み切り裂くはずだったその刃は

あいつの体を深く深く傷つけて

溢れ出す血は止まらない



「・・・シ、ルバぁ・・・大丈夫かっ・・・・・・はっ」



ぼたぼたと

言葉を紡ぐその口からも赤が止まらない







背中に刺さった鎌は二つ

金と銀は翼のよう



ぐらりと揺れたかと思うとゆっくり崩れ倒れた





滑稽にもそれをやった本人達は口をあけ驚きに目を見開いていた





チャンスだ・・・

今ならあいつらを壊せるでもそれより・・・







素早く二人に近づくと一気に蹴り飛ばしワタルと距離をあけさせる





「うわっ」

「くっ」





そっとワタルを抱えるとフィールドから逃げ去った





街をぬけ

川を飛び越え

草原をかき分け

森を進んで





走って走って走って







たどりついたのはのどかな森のなかのログハウス。







殺されるかもしれない







だけど

ワタルを助けてくれるのはきっとあの人だけなんだ







「そこで何をしている?弟よ」



ピタリとのどもとに突きつけられた刃

それより冷たい声が真後ろから聞こえた



「おひさしぶりですね。レッドお兄様」





兄弟の中でも最強と呼ばれる戦士。

その性格は普段は温厚だが戦いとなると恐ろしくかわる

何よりマスターに執着しており、彼女にあだなす敵は全て切り伏せるという





「なにらしくない言葉ずかいしてるんだ?それになんだその荷物。」



うわー血だらけっとまるで緊張感の無い声で放しているがその殺気は凄まじい

マスターに手を出さないか警戒しているのだろう





「今回は戦いにきたわけじゃありません。お兄様、俺の命を差し上げてもかまいません。
どうかあなたのマスター。イエロー様の力でワタルを・・・俺のマスターを助けてください」



「へぇ。」



以外っというふうに瞳を開く



「人間嫌いだったお前がそこまで言うなんてなぁ。どんな奴なんだ?」



「・・・ワタルは、俺を戦いの中庇ってこの傷をうけました・・・」



それだけじゃない



いつだってあいつは俺を信じてくれた

自分勝手で我侭な俺の傍にいてくれて契約者になってくれて

ボロボロで帰ってくるたびに本当に心配してくれて

悲しそうな顔で手当をして

苦しそうな顔で涙を流して抱きしめてくれた





人に触れられるのは大嫌い

虫唾が走る

気持ち悪い





でもワタルはとても温かかった





眼球から熱いものが溢れ出す





俺にいろんなものをくれた優しい優しい人

守ってくれた強い人





「っう、あ・・・お願いしますっ。ワタルを。この人を助けてくださいっ・・・レッドお兄様!!」



背中に感じていたわずかなぬくもりがもう消えそうだった

このままではもう逢えなくなるっ・・・!





言葉が出ない

思いはすべて涙になってこぼれ続ける





涼やかな風がふき森がゆれる

木々が唄う



「わかりました」



清らかな乙女の声





「イエロー?!」





声の主はレッドの契約者

金色の髪を高く結い上げた癒しの力をもつ異能の少女



「そのかたは私が助けます」



強い意志

強い瞳



さすがのレッドもこの少女には逆らえないらしい





彼女はすたすたと俺の隣にくるとそっと抱えていたワタルにふれた



柔らかな光が傷を包むとみるみるうちに癒えていく





あの温かさが体に戻ってきて



うっすらと開かれた瞳には優しい光がともっていた





「シルバー?」



その目はしっかりとシルバーをとらえた



「無事だったのか・・・」





よかった





綺麗に優しくワタルは笑った





「う、うわあぁぁぁぁぁぁ」





思うままにワタルに抱きつく

その広い胸に顔をうずめて泣きじゃくった



あらたにあらたに涙が溢れ出す

嬉しかった

ワタルが生きてくれていたことが

またあの温かさに触れられる事が





この状況が理解できていないのはワタルだけ

でもとりあえず





この子が生きていてくれて本当によかった





腕の中にある小さな温かさが愛しい





レッドはおどろいたように目をひらいて

イエローは柔らかく笑っていた



「お前は、馬鹿だっ・・・!俺はただの人形なのに!なんで体を張って守って、優しくしてくれて・・・なんで俺なんかのために・・・」





震えるその華奢な体を精一杯の抱きしめた





「俺はシルバーに死んで欲しくなかった。もっとたくさんのことをしってたくさんのものをみて・・・幸せになって欲しかった。シルバーのことが大切だから」





こんなに小さいのに大きな十字架を背負わされて、信じるものもなく生きるのは悲しい。

ただのエゴかもしれないけど俺はもっと広い世界をみて自分の幸せを見つけて欲し>かった。





「幸せだった!!」



「え?」



「幸せだったよ!!ずっと!お前に出会えて!初めて名前を呼んでもらえた。初めて怪我の手当をしてくれた。初めて優しくしてもらった。初めて抱きしめてくれた!!たくさんのことを教えてくれて、リラにも逢えて!きっとこれが幸せなんだって今きずいた!!」



「シルバー・・・」



「だから・・・もう俺の前から消えようとするなよ」



俺の存在を確かめるようにぎゅっとしがみついてくる大事な大事な愛すべき子



「ああ、約束するよ」





シルバーはゆっくりとうなずくとふわりと安心したようにわらった





「だから今はおやすみ」





そっと目を手で閉じさせると眠ってしまった



規則正しい寝息が静寂に響く





「理由はよくわからないがどうやら君達に助けられたようだな。ありがとう」



傍にずっと立っていた青年と少女に頭を下げる


「へぇ。察しがいいな。さすがシルバーのマスター」

「レッドさん!いえお力になれてよかったです」



「その赤い瞳はきっとレッドくんだね。それならパートナーの君がイエローさんか」



「そこまでわかるのか?すごいな」

「よく知っていらっしゃる・・・あの、お体は平気ですか?」



思い出したように自分の格好を見ると服は背中で切り裂かれ真っ赤に染まっていた。

しかし傷は癒えて痕すらない



「ああ、なんともない。これが癒しの力か・・・確かに致命傷だったのにな。」



「いいえ。それは私の力だけではありません。シルバーさんのおかげですよ」



「シルバーが?」



「はい。あの傷は確かに死に至る非常に危険な物でしたがシルバーさんが指輪をとおして力を注ぎ続けたのと早くにここにこられたのが良かったんです」



彼女は優しくまた笑った



「そうか・・・」



そっと腕の中で眠る少年の頬を撫でる



結局一番助けられているのは俺かもしれないな・・・





「ところでさ、シルバーの奴がお前を助けるならこの命を差し出してもいいって言ってたんだけど―」





「なっ!」



ワタルは驚きに目を見開くが



「やっぱやめたわ。そんな弱ってる奴に手をかけるほど落ちぶれちゃいないよ」



「レッドさん・・・」



レッドはさっさとイエローの手をとると家へ帰っていく



「ありがとう」


その背中に言葉をかけた



「次会うときは戦場で。じゃあな。」

「失礼します」



振り返らない青年とぺこりと頭を下げてから歩き出す少女

二人を見送るとシルバーを背負いワタルも歩き出した





―いずれ戦わなくてはならなくなるのか・・・



生きるためにはそれしかない。





願わくば別れのそのときまでこの子の傍にいられますように







もうひは落ちて空は満開の星空





美しい美しい満月の夜だった













END










璃雨様から頂きました!
ちょっともうっ・・・vvvvvvなんという素敵な小説!!!!!!!!!!
まさかワタシルをいただけると思っていなかったので、狂喜乱舞ですよ!
嬉しすぎてこ踊りする勢いです!!!
しかも、私のタイプもろストライクのワタシルvvvv
管理人が勝手に捏造したリラちゃんとのお友達設定も使っていただいて感動です!

ワタルさんはシルバーに幸せになってもらいたいと思ってるんですよ!
そんなワタルさんのところに自分の居場所があることに気づいたシルバーなんですよ!!!!
シルバーの心に傷を癒して幸せにしてあげてほしいですvvv

友情出演のレッドさんとイエローがまた素敵ですよねv
レッドさんのイエローの溺愛っぷりがvvv
私にはかけないかっこいいレッドさんがみれてうはうはです^^

本当に素晴らしい物をありがとうございました!
もう、何とお礼を言えばいいのか!!!大切に家宝にさせていただきます。
是非ともまたおねがry・・・ボコ(´Д`(○=(゜u゜*)
とにかく、ありがとうございました!!!!







2007.12.30